2010年6月10日木曜日

zakki-03






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精神病院と牢獄 矯正 剥奪される自由 法あるいはモラル、常識と言われる塀 宝物を見せびらかす 父親との真夜中のドライブ 起死回生の決断 最後の裏切り 精神分裂病 記憶喪失 豊かさの代償ファルスの象徴的代理 女性にとってのそれはなにか?去勢されてゆく








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趣味は遺書を書くこと アクティングアウトの一環 簡単に誰かになれることが希望になる 神は現れないまま物語は終わる 定点観測、中心の視点 向こうからやってくる 死が私たちを呼ぶ アイコンを描く少女 黒で塗りつぶされて 銃を引きずる男 死の前に平原を見た 鉛色の空にカラスが鳴いていた








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因果の綻び 偏りを生み出す 帳尻合わせを余儀なくされる 今にも 夥しい不幸が降り注ぎそう 彼女は死刑囚であるとともに死刑執行人でもある 民謡を口ずさむ








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枕草子と彼女とリルケと彼 「今日、飼っていた猫が死んだ」全部消すか全部つけるか 主観と虚無 丁重にもてなし敬意をもって送り出す しかし外の彼らにはてんで興味がない 眉毛を撫でる 以前の感触と異なるような気がした








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3つ重なった墓標 広大な駐車場 一期一会の出会いなのだからもっと丁寧に扱えばよかたった 対岸のビル群 飼い殺されてる 言葉というか声というか本能 殺したいから殺すってのと似てる 行き交う人びとを模写 うんざりだ








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_MG_46261の可能性 塩浜 東京まで8km








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水没すればいい 無邪気な潜水夫が手を振っている 水面は遠い 失われてく酸素 まだもう少し何かを考える時間はある








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なくなったものに囲まれている 可視化された温度のない幸福 水面の光の揺らめき 寒くも熱くもない快適な空間 5000円で人を殺す 全ては既に失われている








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いつか飼っていた猫の匂いがして懐かしかった  そしてまた考える 長い孤独か 一瞬の決心か 温かい思い出は 時々人を殺すかもしれない 狭い暗闇のなかで ずっと考えている ノックの音は幻聴だったかもしれない 扉を開く 眩しい光の向こう側へ消える








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なぜだか未だに夢を見る 僕はタイムトラベルを経験している だからきっと驚かない その反応をもう知っている 捨ててしまったはずの手紙を持っていた  ボイスレコーダーの音声より








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体験と記録 対話形式の声明文 経験者が望ましい 記録されている  世には出せない  タイマーが鳴る  また孤独が訪れる








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彼女は音楽に姿を変えて 一緒に懐かしい道を歩いた 小雨がぱらつく シティホテルの車寄せ 車に乗り込むリサ はげ散らかした頭の運転手 帽子を後部座席に放り投げた








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公開処刑 死んでも目は閉じない 最後の風景を焼きつけたまま 視点は昇っていく 誰も見向きもしない いつのまにか一人きりになっている 静かだった 救いも恐怖もない








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ジャック・ケヴォーキアン








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五感の行き届く範囲しか認識していない 感覚の死角 認識出来ないのに事実だけが存在することもある 矛盾が生じることもある 世界のほぼ全てはその死角に存在している 本当は何もないのかも 本当に何もないのかも

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